淡海湖

2008年02月11日

Posted by 高島です at 19:00 │Comments( 2 )TrackBack( 0 ) 記憶に残したい
淡海耕地整理・1(貯水池工事着手)

高島市のスキー場の一つである、箱館山スキー場が旧川上地区にあります。その頂上から山道を
登り下りして奥に入って行っていくと、山の中に小さな湖があります。
その湖を「淡海湖」(たんかいこ)と言っています。(通称「処女湖」)

大正2年からはじまった、生活維持のための苦労の事業がはじまりました。

明治のおわりの頃、箱館山の麓には現在の平ヶ崎(へがさき)、伊井(いい)、酒波(さなみ)、構
(かまえ)などの集落があり、この辺りの土地は、箱館山の麓の小高い所にあるため、水の便が非
常に悪く、林や原野で作物のできにくい畑が広がっているだけの土地でした。


当時の人々は、水不足のため米は殆ど作れず、副業として、桑やカヤを植えたり、山で炭を焼い
たりの生活をしていましたが、ヒエやアワ、ナメシ(麦飯の中へ大根の葉などを混ぜたもの)などを
食べ、貧しい生活をしていました。

人々は「せめてほかの百姓のように米の飯を腹いっぱい食べたい。」「百姓はやはり米を作らな
くては・・・・どこからか水を引いて米を作りたい」などと、常々思っていたので、仕事が終わってか
らも、いろいろと話し合いが行われ、時には疲れた体にも関わらず明け方まで話し込んだ事もあっ
たようです。
 
寄り合いの話の中から、どんな方法でこの荒れ地に水を引いたら良いのか、いろいろ考え調査し
た結果、赤坂山の川原谷(かわらだに)に貯水池をつくり、そこから水を引くのが最も良い方法であ
ると結論されました。

しかし、この谷は470メートルの高さにある山深い所で、そこに貯水池をつくり、水を引くためには長
いトンネルを掘らなければなりません。人々は何度も「寄り合い」を開き、相談をしてきたのですが、
計画の途中でやめになったりして、なかなか進展しませんでした。


------------------高島郡誌 第九章産業 第一節農業より-----------------

   川上村淡海耕地整理の工事は本郡に於ける第一事業なりとす。其工事状況を
   擧ぐれば、同村大字日置前、大字酒波、大字福岡の内構の廣漠たる畑地は殆
   不耗に近きものなるを以て、有志の間に於いて相當の利益を擧げんとするには

   水田となすにありしと、調査の結果水源を石田川上流赤坂河(川?)原谷に求む
   るを適當なりとせるも、是を引くには延長の大なる隧道を掘鑿するに非れば引水
   の方法なきを以て、一時中止のま丶なりしを、同村松本彦平其外有志等共に奔
   走して漸く村民の同意を得、大正元年九月測量に着手し、年内に設計成り、組合
   設立許可を受け、二年七月第一着手工事として引水隧道を兩口より起工したり。
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1913年(大正二年)、赤坂山の谷水(石田川の上流)をせき止め、貯水池をつくるための工事に
とりかかったのであります。簡単に貯水池を作るといっても、当時の近辺の貯水池は、いずれも水
漏れの為に使いものにならないものばかりで、人々は「本当に水をためる貯水池が出来るのか」た
いへん不安を感じていました。

そのため、貯水池工事では、いろんな工夫がなされました。水をとめるダムを作るのに山の岩盤を
くり貫き、近くの山から運んできた粘土をたたいて作った、刃金土(はがねづち)を打ち込んだので
す。(この工事の仕方を「かすがいぼり」という。)そして、その周りを約150メートルもの盛り土で支
えるなど、大変な労力と時間のかかる特別な工事でした。

また、この大工事は地域の人々だけでは間に合わず、遠くは伊香、東浅井、大津の方から人夫が
雇われました。多いときには400人にもなり、山奥の谷に小屋を建てて住み、一つの集落が出来る
ほどだったそうである。

冬の間は雪のため工事が出来ず、また、曲がりくねった山道を、食料、生活品工事に使う材料など
を運ぶ仕事も大変で、人々は工事中でも、何度も「本間にできるのだろうか」と、不安な日々が続い
たようでもある。

つづく・・・
 



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この記事へのコメント
高島さん、おはようございます^^
先人のご苦労が偲ばれるお話で
読み込んでしまいました。
寒い寒いと言っているのは
ほんとにぜいたくな悩みですよね(^^)
Posted by romi at 2008年02月12日 07:19
>romiさんへ
その時は、厳粛な気持ちになるのですが
なかなか、日常では・・・ついつい愚痴やため息もでますね。
Posted by 高島 at 2008年02月12日 08:17